歯科診療
■歯科検診
数ある病気のなかで歯周病はデンタルケアをすることによって予防することができます。予防的な検診と異常が見られたときの検診があります。
5~6ヶ月齢でデンタルチェック
基本的には、歯の生え方のチェックで、はじめは麻酔をしないチェックをします。異常(乳歯遺残、欠歯など)があれば麻酔下で歯科レントゲン検査が必要となります。犬の歯 | 猫の歯 | |
---|---|---|
乳切歯 | 3-6週 | 3-6週 |
乳犬歯 | 3-4週 | 3-5週 |
乳臼歯 | 4-6週 | 4-12週 |
切歯 | 12-20週 | 12-20週 |
犬歯 | 16-24週 | 16-24週 |
前臼歯 | 16-24週 | 16-24週 |
後臼歯 | 20-28週 | 20-28週 |
○犬の乳歯遺残
日常よく観察される疾患の一つであり、乳歯がのこっていると永久歯が正常な位置へ生えるのを妨げ、噛み合せが悪くなる(歯性不正咬合)原因となることがあります。 また、歯の間隔が狭く汚れが溜まりやすく歯周病になりやすいことが問題となります。 乳歯を早く抜いてあげることによって永久歯が通常の位置へ生えるように促すことや、歯髄腔が広い状態のときは正常な位置に戻せる場合があります。
切歯と臼歯 | :0~数日 |
犬歯 | :上顎…長くて2~3週間 :下顎…1~2週間 |
○欠歯
歯が生えてない状態を欠歯といい、小型犬で比較的よくみられますが、多くは問題になることはありません。 歯茎の中に歯が残っている場合、歯が生えていない所の歯肉が盛り上がっている場合などは歯科レントゲンによる検査が必要です。
歯周病が疑われる症状が見られた場合
・口臭がきつくなった・目の下が腫れてきた
・ヨダレがでる
・歯が欠けてしまった場合
・歯肉が赤くなっている
・くしゃみの回数が増えた
・歯が伸びてきた
・歯ブラシすると出血する
・鼻水や鼻血が出る
・口を気にする
一見きれいに見えますが、よくみると膿が出ています。
レントゲンを撮ると歯槽骨が融解しています。
*歯がグラグラしていなくても、歯周病は進行していることが多く、歯科レントゲンによる検査が必要です。
■歯科診療における麻酔
当院では、歯科疾患の診断、歯石除去を始めとする歯科診療は全身麻酔をかけて行います。 無麻酔下での歯科処置は日本小動物歯科研究会の見解と同様の理由から行なっておりません。
詳しくは、日本小動物歯科研究会HP「麻酔歯科処置の危険性」
(http://sa-dentalsociety.com/news/dental%20scaling.pdf)、
または、待合室にある『ペットの歯の健康のために!!』をご覧ください。
■歯科診療の実際
事前
- ①全体的な身体検査、口腔内検査
-
- ・視診、ブラックライトでの歯垢のチェック
- ・考えられる状態の仮診断・治療内容の方向性を決めていきます。
- *痛みや、恐怖心から後臼歯や歯の裏側まで見られないこともあります。
- ②麻酔下での治療をご希望された場合、治療日を予約
- ③麻酔下での治療日の1週間ぐらい前に血液検査、循環器・呼吸器、持病がある動物は必要な検査を行い麻酔のリスク判定
治療当日
- ④治療当日 麻酔をかけます。
-
- ・視診、プロービング、歯科レントゲン検査
- ⇒治療内容の決定、仮診断での治療内容が大幅変わる場合はご連絡いたします。
- ⑤術後の説明
- (治療内容、食事内容、カラーの装着の有無、その後のケアについて)
後日
- ⑥術後チェック(抜歯をした場合1週間毎、2~3回)、ホームケア指導
- ⑦定期検診